三島支部では、支部での事例検討会の定期開催に向け、その第一歩として平成20年12月20日(土)に事例検討会に関する研修を行いました(講師は当時の大阪支部研修委員長・脇田寛史氏)。その後一年は研修を受講した会員で事例検討会を重ね、今年3月20日(土)に支部研修として事例検討会を開催しました。これまでの計4回の事例検討会について概要と感想をお伝えします。
~事例検討会の概要~
≪第一回≫ 平成21年1月31日(土)、事例提供者:西田 和夫氏
『親子関係がこじれ、今後の支援方針を考えなければならない事例』
母親、精神障害を持つ息子、精神障害と知的障害を持つ息子の世帯。親子間の口喧嘩が度重なり、世帯の分離(単身生活または施設入所)を考える必要が出てきた事例。
≪第二回≫ 平成21年7月11日(土)、事例提供者:吉田 崇子氏
『本人と家族の思いの違いを埋めるのに苦慮したケース』
アルツハイマー型認知症の女性。熱心に介護にあたる家族と支援者たちの間で最後まで同じ目標を持つことができず、事例提供者が意思疎通の図れないその方の幸せについて考えさせられた事例。
≪第三回≫ 平成21年9月12日(土)、事例提供者:北尾 亜由子氏
『ずっと今の作業所に行きたいんや、家で暮らしたいんや(知的障害の地域支援と権利擁護)』
重複(知的・視力)障害を持つ女性。これからも作業所に行きたい・家で暮らしたいと望んでいるが、高齢の両親が介護にあたっており、親なき後の手立てを急がねばならない事例。
≪第四回≫ 平成22年3月20日(土)、事例提供者:小川 高史氏
『ある事件をきっかけに発達障害の疑いのある三男への支援の糸口がつかめた事例』
同居家族にも何らかの生きづらさがあり、その人にも支援が必要だと思われるが、支援者がいない。事例提供者がケアマネジャーという立場(介護報酬の対象になるのは母親のみ)の中でどう関わるべきか、制度という枠組みと支援者としての思いの中で悩んだ事例。
~感想~ 検討会後に記載してもらう振り返りシートから抜粋
◇ 違う仕事の立場の方の意見を聞くことで、違う見方があることを発見できた。
◇ 事例提供者をねぎらい、批判など出ない、全員参加の意義のある事例検討会だった。
◇ 介護を行っていく上で、要介護者のみならず家族への配慮が大切であることを再確認した。
◇ 皆さん暖かいまなざしでいて下さり、安心して発表することができた。
◇ 意思の確認が難しい人の意思を代弁することの大変さと重要さを改めて感じた。かかわっている側は今後の予測が立つので『備え』をしたくなるものだが、こちらの思うようには行かないもので、かかわり(見守り)続けてタイミングを逃さないことが大事なんだと思う。
◇ 皆さん真剣に取り組んでいてよかった。
◇ ずばり、おもしろかったです。これは大切ですよね。
◇ 高齢者・障害者問題を含めた事例で、一度に多くのことを勉強できた。
◇ 今一番知りたい内容であり、とても嬉しかった。
◇ 事例をまとめるのは大変だったが、実際に検討してもらってとても勉強になり、勇気をもらうことがでた。雰囲気も話しやすかった。