
社会福祉士とは
社会福祉士は、昭和62年5月の第108回国会において制定された 「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置づけられた、社会福祉業務に携わる人の国家資格です。
身体や精神の障がいあるいは環境上の理由などにより日常生活を営むことに支障がある人の福祉に関する相談援助を行う専門職の国家資格です。いわゆるソーシャルワーカーの資格の一つです。
社会福祉士の活躍する職場は、在宅介護支援センター、各種社会福祉施設、介護老人保健施設、病院、社会福祉協議会、福祉事務所・身体障害者更生相談所・児童相談所その他行政機関など多岐にわたっています。
福祉施設では「生活相談員」「生活指導員」「生活支援員」「児童指導員」などと呼ばれる指導員関係、児童福祉司・身体障害者福祉司など公務員、社会福祉協議会の福祉活動専門員、在宅介護支援センターのソーシャルワーカー職、介護老人保健施設の支援相談員、病院等の医療相談員などがあげられます。
社会福祉士資格は、国家資格ですが医師や弁護士のように「業務独占」の資格でなく、「名称独占」の資格です。
「名称独占」とは、資格をもたない者が、「社会福祉士」という名称を勝手に使用してはならないということで、社会福祉士資格を持っていなければ就けない職種は現在のところありませんが、求人には、社会福祉士資格取得を条件としたり、希望しているケースが増えています。
社会福祉士資格をもっていることは、専門職としての水準の高さを表すものであり、今後有資格者が増加すれば、将来的に実質的な業務独占状態になることが考えられます。
受験資格は、福祉系の大学で指定科目を履修するか、一般大学卒業後、もしくは実務経験4年以上で、厚生大臣の指定する養成施設を卒業すると与えられます。
社会福祉士が活躍する現場
◆障がい分野◆
早いもので施設勤務に戻って7年が経ちました。現在は企画調整課で施設の再編整備を担当しています。Aセンターは今秋で創立45周年を迎えますが、今年は7施設の中でも歴史の長い救護施設2施設が民間に移管される年であります。私自身、救護施設での仕事が福祉のスタートでしたから、感慨深いものがありますが、一方で、障害者自立支援法との関係で知的障害者福祉施設としてのあり方を見直すべき年でもあります。
Aセンターの再編課題でいえば、利用者の地域移行であり、強度行動障がいと社会的な問題を持つ知的障がい者の特化施設としての方向性があります。この福祉の変革期だからこそ福祉専門職として何年目であっても謙虚に自己を見つめたいと思っています。自分の関係領域以外の人ともできる限り接し、視野の狭さを実感することが大事だと感じています。社会福祉士会は弱い自分を補強し、リフレッシュする場だと勝手に思いこみ活動に参加しています。
吉本 良一
◆女性分野◆
あまり聞きなれない「女性相談員」と言う職種ですが、私が働くA市では福祉事務所に配置されており、女性の抱えるあらゆる悩みの相談を受けています。
電話や面接で、先ずはお話をしっかりと聴かせて頂き、そこから利用者と一緒に問題を整理するお手伝いをします。その上で適切な情報提供やより専門的な機関へご紹介、時には同行支援をしており、相談員であると同時にケースワーカー的な仕事をしています。
具体的な相談内容としては、離婚問題が一番多く、その中でも夫などの暴力が原因で離婚を考えているDV被害者の支援が増えています。DV’(ドメスティックバイオレンス)を正しく理解し、平成14年4月から施行されている「配偶者からの暴力防止及びその被害者の保護に関する法律」に明記されたように、「配偶者からの暴力は犯罪である。」こと、「被害者への人権侵害であること」を頭に入れて、相談者に寄り添う支援をしています。多くの被害者は身内や友人から「殴られるあなたも悪い。」とか「どんな父親でも子どもには必要。」と言われています。そのため、暴力を受けていても利用者自身が被害者だと認識していないことも多く、女性相談員は相談に来られた被害者の気持ちを十分に受け止め、その上でいかなる理由があっても暴力振るわれていい人はいないこと、安全に生活をする権利があることなどを伝えています。
「ひとりでも多くの女性が心身ともに健康で、その人らしく生きて欲しい」、そんな思いを持って日々の相談業務に励んでいます。
近藤 眞弓
◆医療分野◆
私は現在、大阪市内の病院においてMSWとして勤務しております。毎日多くの相談が持ち込まれ、時には対応に苦慮する事もありますが「相談者と共に考える」ということを常に念頭に置きながら対応しています。
相談者の中には差こそあれ、自らで問題を解決する力が残っている方がおられます。そのような方には効率よくその力を発揮していただけるように援助させていただきます。また、それが少し困難な方には少しずつ解決へ向けて頭の中を交通整理させていただきます。そのようにして日々解決へ向けて「共に」考え悩んでいます。
私は常々考えていることがあります。それはMSWが相談者に対してできることは非常に限られている。しかしその中で最大限その方々のお役に立つにはどうすればいいのかということです。人が生まれ育った環境というものは十人十色です。それにあわせて相談者各々が抱える問題も十人十色です。そのような多種多様な問題に対して本当に自分は満足に応えられているのか、言い換えれば相談者が安心して相談できるMSWとして私は存在しているのか、常に不安と戦いながらの毎日です。ただそのような日常の中で、私の不安を取り除いて下さるのもまた相談者の方々なのです。「ありがとう」、その一言で支えられながらこれからも日々努力していきたいと思っています。
八尾 吉宣
◆フリー◆
社会福祉士で保護司?? 保護司は、社会福祉法の対象外である司法福祉の分野ですので、大阪社会福祉士会でも数少ない存在ではないかと思います。私は、第19回国家試験で辛うじて社会福祉士資格を取得しましたが、保護司としてのスキルアップを直接の動機としたものではありません。元々の動機は、定年退職後、母の介護と向き合う中、福祉を一度基本から勉強しようと思い起ったことから始まりました。しかし、社会福祉士としての「価値・知識・技術」は、結果的に保護司活動に深みと厚みをもたらしてくれています。
保護司の主な仕事は、非行少年や成人の仮出所者などに向き合う中で、一人ひとりの対象者に寄添い、その苦しみや環境との不調和なところを傾聴・観察しつつ、それぞれの更生計画を共につくり、実践を促しながら、彼らの更生を実現していくことにあります。そこにおいて、バイスティックの7原則や、社会福祉援助技術活動の展開過程などは、極めて有効に活用できるものです。まだまだ未熟な活用レベルですので、今後、その活用レベルをケースに当たるごとに、意識的に深め、広めていこうと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
木村 徳弘
◆子ども・保育分野◆
産休明けから就学前の乳幼児の保育及び一時特定保育、そして園内に子育て支援センターがある保育園に勤務しています。
保育界はここ10年で大きく変わりました。児童福祉法の改正や規制緩和、次世代育成支援対策推進法、そして苦情解決の仕組みや第三者評価制度も導入されました。また保育士資格の法制化により保育士の業務の中に子どもの保育と保護者に対する援助が規定され、子どもの生活全般に大きく関わる保育士は、子育て相談など保育士が専門家としてその指導にあたることが求められるようになりました。
子ども達は、幼いなりにそれぞれの家庭問題を背負い保育園で生活しています。「保育園なのに何で社会福祉士いるの?」と社会福祉士の方から聞かれることがよくありますが、子ども達が背負う家庭問題は、離婚、DV、虐待、嫁姑問題、親子関係、精神保健分野など多種多様です。保育業務の一つである子育て相談は、ソーシャルワークの視点が不可欠ですし自分の価値感や人間性が大きく影響しますので、振り返りと自己研鑽が欠かせません。今後も子ども達や周りの方々に、そして事例に学びながら人間性と専門性を高めたいと思っています。
竹馬 のぶえ
◆高齢分野◆
私は、高齢者のデイサービスセンターで生活相談員として勤務しています。
ここでは、生活相談員の主な業務内容と、日々の業務の中で私が感じていることを書かせていただこうと思います。
デイサービスセンターの生活相談員の主な業務内容としては、新規利用者の面接および契約業務、ケアマネージャーならびに関連機関との連絡調整、そして利用者とその家族への相談援助等があります。数々の書類作成も重要な業務の一つです。
高齢者とひとくくりにしてしまうと簡単ですが、それぞれ長年の人生背景があり、疾患や障がいも異なります。集団の中での「個」の大切さを日々考えながら業務に当たっています。主介護者が家族の場合、その家族への相談援助や様子報告、適切な介護方法の助言も重要な業務の一つです。
私は、利用者が自宅で見せる姿が一番その人らしく、素敵だと感じます。
やむを得ず施設入所される場合もありますが、できるだけ在宅生活の継続を支援したいと私は考えています。その在宅生活の継続のために、家族の介護負担の軽減や利用者の心身機能の低下を防止することがデイサービスの大きな役割の一つであり、その果たす役割や意義は大きいと感じています。
介護保険法が改正されるたびに、利用者や家族にとって分かりづらい制度になっていきますが、「よう分からんけど、ここへ来るのが楽しい」「デイサービスがあって良かった」と言ってくれる利用者や家族のために、今後もソーシャルワーカーとしての役割を果たしていきたいと考えています。
金本 沙也佳
◆生活保護分野◆
私は、長年勤めた社会福祉法人の高齢者福祉施設を退職し、一念発起し、平成20年4月1日より、A市役所の生活保護のケースワーカーとなりました。社会福祉士でありながら生活保護制度を含め高齢福祉以外の制度について、知識が無いことを痛感し、毎日必死になって覚え大変ながらも充実した日々を過ごしています。
ケースワーカーの仕事は、世帯毎に異なる複雑な生活課題に対応するため、社会保障制度全般から住宅施策まで幅広い知識と、他機関との連携力と、そして福祉の心と忍耐が必要な仕事で、自分はまだまだですが、社会福祉士として専門性を活かしより高めていきたいと思っています。そして今、生活保護を取巻く環境を見ますと、保護世帯の増加、通院移送費の問題、漏給の問題等があり、問題は山積していますが、命を守る仕事と言われるケースワーカーとして、熱い心と高い使命感をもって業務に従事していきたいと考えております。
石井 直樹
社会福祉士になるためには
社会福祉士になるためには、厚生大臣が指定した指定試験機関である(財)社会福祉振興・試験センターが実施する「社会福祉士国家試験」に合格しなくてはなりません。 この国家試験を受験するためには、法律に定められた受験資格が必要です。
受験資格を得る方法には、大きく分けて次の8種類のコースにわかれます。
1. 福祉系大学(4年制)などを卒業した者
1. 厚生大臣が指定する科目を履修して卒業した場合(法第7条第1号)
2. 厚生大臣が指定する科目のうち、基礎科目を履修して卒業し、
かつ、短期養成施設など・通信課程を修了した場合(法第7条第2号、ただし短期
養成施設は現在ありません)
2. 福祉系短大などを卒業した者
(1) 福祉系短期大学(3年制の専修学校など)を卒業した者
1. 厚生大臣が指定する科目を履修して卒業し、かつ、1年間の実務
経験( 指定施設における指定業務経験)のある場合(法第7条第4号)
2. 厚生大臣が指定する科目のうち、基礎科目を履修して卒業し、
1年間の実務経験(指定施設における指定業務経験)があり、かつ、短期養成施設
など・通信課程(6カ月)を修了した場合(法第7条第5号、ただし短期養成施設は
現在ありません)
(2) 福祉系短期大学(2年制)を卒業した者
1. 厚生大臣が指定する科目を履修して卒業し、かつ、2年間の実務経験
(指定施設における指定業務経験)のある場合(法第7条第7号)
2. 厚生大臣が指定する科目のうち、基礎科目を履修して卒業し、
2年間の実務経験(指定施設における指定業務経験)があり、かつ、短期養成施設
など・通信課程(6カ月)を修了した場合
(法第7条第8号、ただし短期養成施設は現在ありません)
(3) 法的職種を経験した者
5年以上、児童福祉司、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司、老人福祉指導主事、査察指導員の経験がある場合(法第7条第11号)
(4) 一般大学(4年制)を卒業した者
一般養成施設・通信課程(1年以上)を修了した場合(法第7条第3号)
(5) 一般系短期大学(3年制の専修学校等)を卒業した者
1年間の実務経験( 指定施設における指定業務経験)があり、かつ、一般養成施設など・通信課程(1年以上)を修了した場合(法第7条第6号)
(6) 一般系短期大学(2年制)を卒業した者
2年間の実務経験( 指定施設における指定業務経験)があり、かつ、一般養成施設など・通信課程(1年以上)を修了した場合(法第7条第9号)
(7) 上記(1)〜(6)に該当しない者
4年間の実務経験(指定施設における指定業務経験)があり、かつ、一般養成施設など・通信課程(1年間)を修了した場合(法第7条第10号)
※ 詳しくは、
(財)社会福祉振興・試験センターのWEBサイトにてご確認ください。
